店長ブログ衣類クリーニング
ニットウェア
ニットウェアは、伸び縮みして感触もソフト。
軽くて着心地が良いので、アウターからインナーまでたくさんの種類があります。
南蛮渡来の靴下が「ニットのはじめ」
「ニット」とは糸を編んでつくった布地のことです。
布地には別に、糸を交差させてつくる織物があります。
衣服素材として重要な役割を果たしてきていますし、ニットは織物に次ぐ存在と言われています。
その理由には、ニットの歩みにあると言われているようです。
日本には数百年前に西欧から伝えられたものです。
繊維を編んだり織ったりすることは、古代に世界各地で始まったことなのですが、日本などアジアではニットの需要が増えませんでした。
ところが欧米では、ニットが織物とほぼ平行して発達し、そのニットがやがて日本伝来したと言われています。
織田信長が活躍していた南蛮貿易時代に、渡来品の中に手編みのニットが含まれていました。
それは靴下でした。
当時の主なニット製品は靴下だったのです。
その靴下のことを、スペイン語では
「メディアス」(medias)
といい、ポルトガル語では、「メイアス」(me-ias)といったことから、それがなまって
「メリヤス」という言葉が生まれました。
「メリヤス」から「ニット」へと変化
伝来時代「メリヤス」は「メリヤス足袋」と呼ばれていました。
また同じころに、水戸黄門で知られる徳川光圀(みつくに)が所有していたという「メリヤス足袋」も今に残されています。(水戸市・徳川博物館)
現在では日本最古の靴下で、渡来人からの献上品とみられています。
やがて、長崎に移入されたメリヤス手編み技術は国内各地に普及しました。
そして、伸び縮みが自在なので「莫大小(メリヤス)」(「大小なし」の意味)とも書き残され、江戸時代を通じて手袋など各種の袋類などに使われだしました。
そうした長い前史を終え、開国後は編物機械が輸入され、メリヤス産業が成長しました。
靴下や手袋はもちろん、シャツをはじめとする一般衣料もつくられるようになりました。
そして「メリヤス」の語は、肌着など編んだものの総称として、特に比較的細糸で機械編みにしたものを呼ぶのに使われるようになったのです。
しかし後に、セーターやワンピースなどの編んだ外衣が増えるにつれて、靴下を語源とするメリヤスという言葉ではまとめきれなくなっていしまいました。
そのことから、内衣はメリヤス、中衣はニット、外衣はジャージーと呼ばれることが多くなり、現在では内衣も含めてニットという呼び名が主流となったのです。