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店長ブログ衣類クリーニング

コートの豆知識 トレンチコート


様々な種類のコート


トレンチコート、ピーコート、ダッフルコートなどコートは他にもたくさんの種類がありますね。


「コート」は、防寒よりもおしゃれを目的として着る傾向にありますが、防寒ウェアとしての原点も心得ておきたいものです。


そのようなコートの中でトレンチコートについて少し調べてみました。




トレンチコート


コートがほかの衣服と異なる点は、屋外でのみ着用されるところにあります。


寒さや風雨などから身を守るために着用するもので、屋内では着ないのです。


そんな屋外着としての機能性と実用性を見事に備えているのがトレンチコートです。


今では女性向きのものも増えていますが、実は戦場から生まれたものです。


  • 塹壕(敵弾から身を隠して行動するために掘った空堀(からぼり))で着た防水コート

トレンチコートは、第一次大戦時、英仏米などの連合軍の兵士が着る防水コートとして開発されたものです。


第一次大戦では、弾丸を連射する機関銃が野戦の主要兵器となったことから、兵士は身を守るために地面に深い溝を掘り、掘り出した土を積み上げて砦としました。


それがトレンチ(trench=塹壕)で着用するコートは防水性と機能性に優れたものが求められました。


「塹壕で戦っていた兵たちは、ゴムのレーンコートのように暑くて、蒸れたりしない防水服を求めていた。イギリス人トーマス・バーバリーがその要求にこたえた。それは細い綿糸の綾織りギャバジンのレーンコートで、防水性に富み、しかも通気性も十分あるというものだった。こうして最初のトレンチコートが生まれ、全連合軍兵士のコートとなった」


というのがトレンチコート誕生のいきさつです。


製造はトーマス・バーバリー社とアクア スキュータム社でした。


第一次大戦後は、一般の人もこのコートを着用していようです。


その機能的で実用的な仕様が好まれたのですね。


機能優先のデザイン

トレンチコートは複雑なデザインをしています。


今では不要な付属品も残っていますが、着こなすためには、当初の機能や用途を知っておくのもよいでしょう。


例えば、前身頃がダブル(両前あわせ)になっているのは、風向きによって右前にしたり左前にしたりして風雨を防ぐためです。

また、背肩の当て布も、二重に覆うことで防水効果を高める為です。同様に、襟や袖口もベルトなどで閉じられるようになっています。


肩章は階級章を取り付ける場合にも用いられますが、双眼鏡や銃を肩から下げた時に外れないようにするためのもので、D字型リングは水筒や手榴弾をつるすためのものでした。




まとめ

今のトレンチコートがつくられたのにも、このような経緯や理由があったのですね。

クリーニング屋にとっては「なぜ 前身頃がダブル(両前あわせ)になっていて、にしたり左前にしたり右前にしたりするのか・・・仕上げる時に不便だなと思っていました。」


風雨を防ぐためにそのような作りになっていたのですね。


今度からトレンチコートを着る時には、様々なトレンチコートの特徴を活かしていきたいものです。