何でもやるがモットーの「きれい大好き企業」。
地元・糸魚川の声に応え続けたら、日本・世界中の役に立てるようになった。
株式会社大和屋は、新潟県糸魚川市に本社を置く総合クリーニング企業です。
長くひいきにしてくださっている地元のお客さまが多くいる中、インターネットの普及で日本各地や世界中の皆さまの目に触れる機会も増えてきました。
どのような企業なのかを多くの人に知ってもらうために、大和屋自体や本社のある糸魚川市について当社代表が紹介します。
糸魚川で事業を興して65年。
大好きな地元に、私も貢献したい
1958年に創業し、65年目を迎えました。
新潟県内・糸魚川市内の皆さまからのご支援で当社が成り立っていると感じます。
「地域密着」を創業当時から掲げ、今後も意識していきたいです。
ただ、一部地域だけに固執し過ぎては企業の繁栄・拡大は求められません。
地域密着の姿勢をベースにしながら、インターネットを利用したり、近隣の地域へ進出したりするのも重要だと考えています。
糸魚川市の一員として、商工会議所の役員(副会頭)や法人会の会長を私は務めています。
糸魚川市から上京する人が多く、2/3程度が高校卒業後に市外に出てしまう状況です。空き家活用やUターン促進などを糸魚川市と一緒に進め、地域の課題解決にも尽力しています。
生まれた土地でひいき目もありますが、自然が豊かでおいしいものもあり、糸魚川市は住みやすい街です。非常に愛着を持っています。スキー場やゴルフ場も近く、釣りもできますね。
市外の企業がオフィスを構える例も増えており、移住者にも魅力的なのだと感じています。
今でも言ってくださるお客さまがいるほど、大和屋は糸魚川近辺で高い評価・信頼を長らく頂戴してきた企業です。
店舗型と宅配型でクリーニングサービスを提供する中で、お客さまの要望がそれぞれ違うため、すみ分けをしっかりしています。
さまざまなお客さまに誠実に向き合い、糸魚川市内だけでなく、多くの評価・信頼を今後も獲得していきたいです。
必死にやっていたら日本・世界中から頼られる存在に。
「なんでもできる・断らない」を目指す
時代に合ったサービスをしていかなければ、当社も振り落とされてしまいます。クリーニングは不況業種で、業界規模は1992年をピークに7割減の状況です。
「どのようにしたら生き残れるか」が常に頭の中にあります。
当社は、多角経営をしていたからよかったんです。
一つがよくないときには別の業種の売上で会社を支えてきました。
主軸のクリーニング事業では、各都道府県で一定基準を満たしたプロ集団が提供する宅配クリーニングサービス「リアクア」に加盟したり、
当社のみのサービスとしてぬいぐるみクリーニングを提供したり。
3年前にはテントクリーニングを始めました。国内の大手企業のみならず、海外企業からも相談・依頼が来るようになり、大和屋の仕事が日本や世界へ広がっているのはうれしいかぎりです。
独自の・今までの長い経験の中で、いろいろなものをクリーニングするノウハウが積み重なってきました。
それを生かすのが大事だと考えています。
だから「何でもできる企業」を目指しているんですよね。
「大手に断られた」と、地元の当社を頼ってくださるお客さまは多くいます。
“あれも・これも”と受けているうちに、何でもできるようになったのが正しいところかもしれません。
当社のコンセプトといいましょうか、普段から言っていることは「何でもお断りしない」です。
「ひとまず話を聞いてみよう」といつも言っています。
やっぱり、誰かがやらないと困ったままの人っているじゃないですか。
当社みたいに地域密着の企業が最終的に頼りにされる場面があるのです。
糸魚川市でいえば、当社が断ってしまったら、対応できる企業がほぼいません。そこに応えたいんですよね。
以前、江戸時代から使っている幕をクリーニングできないかと糸魚川市内の神社から相談を受けました。
洗ったらボロボロになるので断りたいと担当者は言ってきたんです。
「いやそうじゃない」と。「ボロボロになるかもしれませんが、いかがですか?」と状況を伝えた上で改めて聞くように私は伝えたんです。
すると「それでもいい」と頼りにしてくださり、当社の技術を駆使してうまく洗い上げられました。
非常に喜ばれたのを覚えています。
工場の担当者も喜んで私に報告してきました。
「よかっただろ」と一緒に喜びましたね。
逆境をチャンスに変え続けて、今がある。
社会の課題や変化にこれからもトライしたい
逆境は、会社や人を強くするんですよね。糸魚川市は、海や急峻な山が近いので水害が多い地域です。
経済的な苦難はもちろん、2016年末の糸魚川大規模火災や2020年頃のコロナ禍なども経験しました。
ただこれは過去からの経験で……いいときばかりだと気が緩みがちですよね。
ですから、逆境のときこそ生産性を上げよう・経費を1円でも落とそうとの取り組みができるかが重要なのです。
できれば、解消されたときには前よりもよくなっていますから。
その繰り返しですね、今までずっと。
糸魚川市外では人口減少が一番の社会課題です。
人手不足解消の一助になればと、障がい者の就労を支援できるサービスを2025年春に開始する予定で進めています。
ほかの企業でも活躍できるように障がい者の就職を支援する事業です。
障がい者雇用を大和屋でも進めており、14人を現在雇用しています。社員全体の23.4%です。
ほかに物価高も課題ですよね。社員たちも苦しんでいるので、積極的に還元をしている方だと思います。
SDGsや自然環境問題への取り組みにも当社は積極的です。
2022年に太陽光発電を採り入れ、再生可能エネルギーの活用にも踏み出しました。
生成AIにも興味があります。「何でも、とにかくやってみよう」という性分なんですよね、私が。
汚れを落とすのは当たり前。
お客さまだけでなく、社員の心も「きれい」にしたい
「きれい大好き企業」をモットーに当社は掲げています。
当社のサービスであるクリーニング事業・ダスキン事業・インテリア事業(室内装飾品の販売・内装工事)のすべてに共通するのが「きれい」であり、お客さまからの喜びの声で挙がってくる要素でもあります。
とにかくお客さまに喜んでほしいんですよね。
「できない」というのは簡単ですが、できない理由を探す前に、できる理由を見つけてやってみることが大事です。
事故を恐れて現場の社員が嫌がる気持ちもわかります。
だからこそ「工夫しよう」と背中を押すように私は努めているんです。
できたときには、私もうれしいですから。
お客さまと接している営業担当者は特に、「何とかして」と頼まれるわけですよ。
「こんなのできない」と工場の担当者が言うとしましょう。
お客さまのところに行って営業担当者は断らなければなりません……でも、断りにくいですよね。
だから、挑戦はみんなの喜びにつながるんです。そこを目指したい。
一生懸命やっていたら、たとえ安いお店がほかにあっても、当社を頼ってくださるお客さまはいます。
お客さまとの信頼・結びつきを強くすることを大切にしたいです。
人口が減っていくので、同じ・一つだけのサービスでは限界が来ると考えています。
今いるお客さまにいろいろなサービスを提供して当社も繁栄していかなければなりません。
新しくていいサービスがあれば、どんどん採り入れていこうと思っています。
その半面、企業としていかに長続きできるかも大事だと私は思っています。
挑戦はしてもやり過ぎず、身の丈にあった範囲で繁栄していければ一番かなと。
次の代以降にもつながるような経営ができれば最高です。
「挑戦しつつも身の丈にあった経営」を今後も大事にしていきます。
株式会社大和屋
代表取締役 永江善昭